ユーザー事例

ユーザー事例 No.3

Leicaレーザートラッカー

株式会社シバックス様

自動車モデル開発を迅速にした3次元測定                   クレイモデルにおける造型の微細なニュアンスをデータ化

株式会社シバックスという社名だけ聞いても、業種を思い浮かべられる人は少ないかもしれません。しかしすでに創業55年を超える歴史があり、自動車業界では知らない人がいない自動車開発支援分野シェアトップクラスの企業。横浜市都筑区に本社を置き、各地に開発センターを拡大しながら国内外に展開しています。

近年の主軸業務は自動車メーカーからの自動車開発支援と位置付けています。国内外の自動車メーカーを取引先とし、デザインや設計の工程から「クルマのエクステリア・インテリア」の開発に携わります。量産車の開発を手がけるだけでなく、モーターショーに出展するコンセプトカーの設計・製作や、性能実験で使われる実験車両の開発・製作にも携わり、業界に欠かせない存在といっても過言ではありません。

株式会社シバックスの理念に基づく規範は「QPS」。クオリティ、プライス、サービス、スピード、この4項目を常に頭に叩き込み、お客様の期待を超える品質をめざしてきました。誠実・正確な仕事は業界で高く評価され、成長を続けています。

最上流から携わるプロジェクトであれば、一枚のデザインスケッチからクレイ(粘土)を使った1/4スケールクレイモデルを加工し、ボディやルーフ、バンパーといった部品のラインがコンセプトに合うようクレイモデラーが造型をコントロール。完成されたクレイモデルを測定してデータ化するために東京貿易テクノシステムのLeicaレーザートラッカーAT901と片持ち型3次元計測システムLayout Machineが活用されます。特にLayout Machineのお取引歴は40年以上、これまでトータルで100台以上を購入いただきました。

納期との戦いでもあるモデル製作・開発において3次元測定機がどのように使われているのか、モデルGr.のグループリーダー 西岡大輔さん、モデルGr. 高橋睦さん、スタイリングデータGr. 尾崎維幸さんにお話を伺いました。

(左より西岡大輔さん、高橋睦さん、尾崎維幸さん)

西岡さん、高橋さんは平面に描かれたデザインを立体化するモデリングを担当。自動車メーカーや自社のデザイン担当者とも議論を重ね、クレイや各種樹脂素材を使ってコンセプトをカタチにする。高橋さんは主に実験車両モデルを担当。

尾崎さんは測定したデータをCADソフトに取り込み、データ上でさらに細かくラインやサーフェースを整えている。修正したサーフェースデータは後工程でのモデリングに反映される。

量販車モデルはもちろん、コンセプトカーも造形する

―すでに多くの自動車メーカーと取引があるとお聞きしました。

西岡大輔さん(以下、西岡):私たちは自動車における開発支援業務がメインで、主に自動車メーカー様をお取引先としています。 デザインスケッチを立体化するところから始まるのが私たちの仕事です。メーカーのデザイン担当者様と共同で開発することもありますし、弊社にもデザイン部門があるのでデザイン提案から委託されることもあります。守秘義務があるのでなかなかオープンにはできませんが、密度が濃い楽しい仕事だと思っています。 扱うクルマの種類はさまざまで、量販車はもちろん、世界各地のモーターショーなどに出展するコンセプトカーの設計・製作も手がけます。未来のクルマを想像しながらメーカー様と一緒にデザインし、お客様の目に触れるカタチに仕上げる。これはプロジェクトの中で一番大きなものです。

高橋睦さん(以下、高橋):私は主に実験などに使われる実験車両モデルの製作を担当しています。実験結果をもとに造型をいじることや、データを取って造型に反映させるのも大切な支援業務になっています。

―実物大のモデルを作るのは大変ではないですか。

西岡:初めから実物大で作るのは難しいので、デザインスケッチが描かれたあとはまず1/4スケールのクレイモデルを製作します。そこから「この部分のこの線を変えよう」「この面をこうしよう」と相談しながら実際にクレイの形状を変更しながら、造型が決まったところでレーザートラッカーやLayout Machineで測定するんです。ハンディタイプのT-Scanも大いに活躍していますよ。測定してモデルの形状を全部データ化したあと、一旦CADソフトを使用して次の工程に移行します。

尾崎維幸さん(以下、尾崎): 私はCADソフト上でクルマの造型を整えています。クレイモデルの測定データに沿って、デザインコンセプトに合ったサーフェースデータを作成する工程です。クレイだとやはり手で造形するので、求められる微妙な凹凸やラインが再現し切れていない部分があります。私のところで細かくデータで造形して、整えた形をまたデータとして弾き出す。このデータは次工程のクレイモデルの基本になります。

西岡:デザインのニュアンスまで数値化したデータをもとに、今度は1/1スケールのクレイモデルを製作します。 さらにクレイを盛ったり削ったりしてデザインを整えるので、再度測定して造形後のモデルをデータ化する。 そのデータを使って最後に硬質な樹脂素材を使用した1/1スケールモデルを製作するんです。 このプロセスではクレイのような軟らかい素材を足し引きするのではなく、主剤と硬化剤を混合して硬化させた樹脂素材を使用してフルスケールの形状素材を製作し、そこからNCマシンで形状を掘り出します。 やはり寸法情報が命で、クレイモデルの造型やサーフェースデータの工程で生成されたラインを正確に再現できるデータが不可欠です。 だから東京貿易テクノシステムの測定機はいろんなところで活躍しています。

40年以上の信頼から新たな購入につながった

―弊社とのお付き合いは古く、Layout Machineはもう100台以上ご購入いただきました。

西岡:そうですね。私が入社したときからLayout Machineは欠かせないツールでした。クルマを定盤に載せてLayout Machineを左右に2台置き、アームを使って寸法を測定します。今でも弊社では最低でも80台以上は稼働しているのではないでしょうか。自動車のボディのような大型ワークの測定で活躍中です。国内3拠点のほか、海外拠点でも導入しました。 さまざまな状況で使っており、とても丈夫で助かっているのですが、やはり数年に1回はメンテナンスが必要です。私たちの立場からすると測定スケジュールが立て込んでいるので、それもできるだけ早くすませたい。東京貿易テクノシステムのメンテナンスはマシンを知りつくした職人気質の方が来てくれて、数時間で完了するので非常にありがたいです。 本社でも20台以上稼働しているので何かと来ていただく機会は多いと思います。疑問があったらすぐ対応してもらえるので安心しています。

―レーザートラッカーも導入いただきました。使い心地はいかがですか。

高橋:もともとは他社製の装置を使ってスキャニングしていました。カメラで撮影して測定する方式なのですが、これだとクレイモデル1台を測るのに2人がかりで1日半かかっていました。

カメラでスキャンする前に、ボディのポイントを把握するために測定時にターゲットになるシールを貼らなければいけないんです。全部で100近くあるところをシールでマークする。作業が終わったらボディを傷つけないように気を配りながらきれいに剥がさなければいけない。この準備と処理で結構大変なんです。 それにカメラの重さが数十kgある上、カメラが動けるレールにも限界があってポジションを定めるのが重労働です。1人で上げ下げするのは危険で、やはり2人でチームを組むしかない。

尾崎:その点、レーザートラッカーのT-Scanはハンディタイプなので片手で動かせます。非接触レーザーで、クルマの底部を測定したいときも手をスッと下げるだけなので取り回しがとても自由です。サイズ感がまったく変わりましたね。

測定時間も大幅に短縮されました。まず下準備がいらず、レーザートラッカーさえあればすぐ取りかかれます。大きな面も撫でるような動作だけで数値がPCに取り込まれますし、測定スピードは圧倒的に速くなりました。何より1人で測定が可能になったので、人的コストや時間の面からもメリットがあります。

レーザートラッカーなら1人で以前の3分の1程度の時間で1台をこなせるのではないでしょうか。実質作業量が3分の1になって気持ちの負担は軽くなりました。1日あればできる、2日かけなくていいというのは私たちにとって非常に大きいです。

西岡:自動車のボディモデルのほか、ホイールやインテリアなど小さな部品を測定することもあります。T-Scanはデータを取るには一番速い測定器ではないでしょうか。アーム式のものは何回も測定機を移動させなければいけないけれど、ハンディタイプは手軽です。精度もレーザーであれば0.01mmレベルで測ることができる。導入は今のところ本社で1台だけですが、いろんな部署が代わるがわる利用しています。

―業界で話を聞くと、スピードと正確さについて御社は高く評価されています。

西岡:私たちはいつも「QPS」を肝に銘じています。これは、クオリティ、プライス、サービス、スピードの頭文字です。現在、開発や製作のスピードは同業他社と比べてかなり早いと自負しています。話を聞くと、おそらくシバックスは他社より数割短い納期を望まれているのではないでしょうか。それをこなせるだけのノウハウと技術が年々向上しています。

レーザートラッカーの導入は業務のスピードアップに大きく貢献したので、今後は米国拠点でも導入を検討しています。Leicaレーザートラッカーの進化も魅力です。最近は「どうやったらこんなに小さくなるのか」と驚くほど小型化された最新機種も出てきましたね。

今後も東京貿易さんと相談させていただきながら、弊社の測定対象物や独自環境に即したツール、測定方法を構築できれば作業がブラッシュアップされて、もっと全体効率が上がるかもしれません。お互いの強みを生かし、これからも良い関係を築いていければと思っています。

株式会社シバックス様

1961年7月に創業、1964年2月に有限会社柴崎木型製作所として設立。自動車・航空機・船舶・スポーツ用品・インテリア用品・電化製品・その他工業用モデルのデザイン・設計・製造・販売で業績を伸ばし規模を拡大。1990年4月に社名を株式会社シバックスに変更したのちも順調で、栃木や愛知のほか、タイや中国、米国へ拠点を増やしている。特に自動車関連のモデル開発で評価が高く、主に国内自動車メーカーと取引実績があります。

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