自動車製造の金型造形プロセスでは、通常、一発でOKな金型を作ることができません。そのため、製品としての金型を完成させるのに玉成※(=作りこみ)が必ず発生します。海外に多数の工場を持っているお客様は、マザー工場である日本での玉成後、完成金型を計測しリピートデータ化し、海外の各工場へ展開されます。しかし、リピートデータはそのまま各工場で使える訳ではありません。それぞれの機材等の環境要因により条件が異なるため、リピートデータを元に各工場での金型の微調整が必要になります。そのため、およそ3カ月程度のタイムラグを経て、ようやく海外工場での立上げを実現していました。それをいかに世界同時立上げができるかが製造プロセスにおける大きな課題となっています。

つまり、従来はコピー金型作成の横展は垂直展開が当たり前でしたが、昨今ではより水平展開が主流になりつつあり、タイムラグの最小化が求められています。それを実現するためには、さらなる高速測定や造形プロセスの仕上げ工程途中でのデータ化(プレス機上でのデータ化)といったプロセスチェンジが必要となります。
このような同時立上げといったニーズに対し、以下の測定課題が挙げられます。

 玉成:製品設計データ通りにプレス部品が成形されるよう金型を仕上げること。

課題

    従来は金型造形後のプロセスにカメラ式3Dスキャナーが使用されるケースが多く、次のような課題があります。

  • 段取り時間を含んだ測定時間が長い
    (特にスプレー塗布とターゲットマーカー設置作業)
    測定するために確保しなければならない時間が長いと、まとまった時間が確保できない場合、測定工程を他工程の間に組み込めず、測定が遅れてしまいます。結果、後工程にある解析に進むのが更に遅れてしまい、大幅なタイムラグが発生。
  • 反射防止スプレーやターゲットマーカー等の消耗品によりランニングコストが嵩む
    高品質な測定データを取得するための反射防止スプレーや測定データの位置合わせのためのターゲットマーカー等は必要不可欠で、常にランニングコストが発生します。

いかにプロセスチェンジをして測定プロセスの効率化を図れるかがポイントとなります。

反射防止用スプレー
ターゲットマーカー

ソリューション

コピー金型作成にレーザートラッカーを用いることで、測定のプロセスチェンジをし、金型玉成完成時のコピー金型作成の同時立上げを実現します。

1. スプレー塗布/マーカー不要による段取り時間の大幅短縮

カメラ式3Dスキャナーでは高精度・高品質な測定データを得るにはスプレー塗布やターゲットマーカーの設置が必要です。

一方、レーザートラッカーは、測定時間そのものはカメラ式と比べて大きく変わりませんが、測定に付随するスプレー塗布の時間やターゲットマーカー等を貼る段取り時間が一切不要になり、全体の作業工数を圧倒的に短縮することができます。このようなプロセスチェンジによって、金型完成時のコピー金型作成を加速します。

2. ターゲットマーカー無しでも高速&高精度測定

カメラ式3Dスキャナーでは高精度に測定データを一つの座標系に合わせるためにターゲットマーカーを対象物に貼ったり、スケールバーを測定エリアに配置する必要があります。
レーザートラッカーではそのようなマーカーやスケールバーの配置なしに、高速且つ高精度測定を可能にします。

3. スプレー無しでも高品質な測定データ

プレス金型のコピー金型作成のためのリピートデータ化には、高品質な測定データが必要です。カメラ式の場合、スプレー無しでは満足のいく高品質データは得られません。そのためには反射防止スプレー(ホワイトスプレー)塗布が必要不可欠でした。特にピアノブラック等の光沢の強い対象物では高品質データを得るためのスプレー塗布は必要不可欠でした。
レーザートラッカーは対象物の材質に関係なく、スプレー無しに高品質なデータを得ることができます。リピートデータを作成するためには表面形状の滑らかさが重要ですが、レーザートラッカーシステムは満足のいく高品質データを提供します。

システム構成(提案例)

Leicaレーザートラッカー AT960

Leica AS1スキャナー

PC

Leicaレーザートラッカーに関する製品情報はこちらをご確認ください。
Leica AS1スキャナーに関する詳細はこちらをご確認ください

レーザートラッカーから不可視なレーザーが出ていて、スキャナーの位置・姿勢を高精度にトラッキングしているシステムです。AS1スキャナーでパーツをスキャンし、点群データを収集しています。
従来のカメラ式ではホワイトスプレー無しで測定することができなかった光沢のあるパーツが高速に、スプレー無しで測定することができます。これだけのスピードで収集していてもデータ品質が高いのがAS1スキャナーの特徴です。動画をご覧いただいた通り、 ピアノブラックを測定しても表面形状も非常に滑らかな仕上がりとなっています。

まとめ

このように、Leicaレーザートラッカーを使ってプロセスチェンジすることで、測定に付随する段取り時間の大幅削減できるようになり、他工場へのコピー金型作成の同時立上げを可能にします。お客様の環境や要件によりますが、レーザートラッカーでは従来の測定時間の60%の工数削減をされたお客様もいらっしゃいます。このソリューションは、展開したい工場数が多ければ多いほど効果は絶大です。高品質なデータも得られるためお客様からもご好評をいただいています。

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弊社ではご提案できるソリューションを多数用意しております。
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